迎えたんじゃない。行ってた。
我が家は、
夫がもともと東京の人で、実家暮らしだったので、
私のひとり暮らしに、
夫が嫁入りしてきたような感じで、
結婚生活が始まっている。
なので、
うちにある家電は、ほとんどが
私が上京する時に、揃えたものを使っているわけだが、
10年もたとうとしている今年、
炊飯器がついにおかしくなってきてしまった。
ということで最近、野田琺瑯のkamadoを手に入れた。
手に入れてから、
毎日いつも変わらず、朝昼晩のごはんを作っているが、
何だか今までと様子が違う。気分が違う。
電気炊飯器も、kamadoも、
同じように、湯気をあげるのに、
kamadoで炊いていると、食事を作っている感がどんどん高ぶってきて、
今までは感じてなかった、台所にいる幸福感が、
じわじわとわきあがってくる。
食事ができて、
ちゃぶ台にその日の献立が全てならんで、
自分の横にしゃもじを添えたkamadoがあって。
「おかわりいる?」とか言ったりしている。
ああ。
目の前にいるこの人を
私の家に迎えたんじゃなかったんだ。
私が嫁にいって、
この人と家族になったんだな。
「ずーっと独身でいて、ニューハーフの人とルームシェアして、暮らしたいよ。」
なんて言っていた私が。
kamadoからおかわりをつぎながら、
やっと、気づいた。