虫歯
調子に乗って、あめ玉をバリバリ噛んで食べていたら、前の方の歯が欠けてしまった。
あぁ。歯医者に行かねば。
歯医者。
お医者さんの中で、一番嫌いだ。
中でも、女性の歯医者さんは特に嫌いである。
「痛い」と左手を挙げても、「もう少しですから!」と言ってそのまま作業を続けるし、
道具の扱いも荒いし、口の中をガンガン触るし。
男性の先生の方が、手つきが繊細で、治療も丁寧。
あぁ、神様!
どうか今回は、男の先生をお願いしますっ!
男。男。男。男。男。男。。。。。。
まるで、男に飢えた女のように、唱えながら診療台で待っていた。
「はい。こんにちは。」
ばっちりメイクの、眼鏡を掛けた、インテリマスク美女が厳しい目つきでやってきた。
わー。また女の先生ー。くすん。
まずは、治療箇所を確認。
「鼻炎とか、花粉症ですか?」
思ってもなかった質問をいきなりされたので、
「え? あー、え? あ、うーんと、わかりません。」と答えた。
「よく、口が開いてしまっていることは、ないですか?」
口が開いてしまっているって。。。。 すごい質問するな。
口が開いてしまっていることを自覚するのは難しい。
とりあえずまた、「わかんないですね。」と答えておいた。
先生によると、前の方に虫歯が出来る人は、
口が乾燥してしまっていることが原因なのだそうだ。
確かに。
鼻炎や花粉症の人は、鼻が詰まっているため口呼吸になりがちだ。
では、鼻炎でもないし、花粉症でもない私は。。。。
知らないうちに口が、、、開いてしまっていたのか!!
治療はたんたんと進み、
今までにない手際の良さと丁寧さで、私はインテリマスク美女にやられてしまった。
「テレビを観たり、集中している時に口が開いてしまっているのかも知れません。
これからは意識して、口をしめるようにして下さいね!」
それはまるで、
「知らないうちに口が開いちゃってるんだよ! アホ面してないで、口閉じて真剣に生きてみなよ!」
と、言われているようだった。
「あっ、は、はいっ!」
美女先生のパンチの効いたお言葉をありがたく頂戴し、
すっきりした気分で、帰ったのでした。
※皆様
今後、私の口が、ポカーっと開いてしまっていたら、
バシッと一喝!
どうぞ宜しくお願い致します。