日向夏
宮崎の母、悦から、荷物が届いた。
珈琲豆や手作りケーキを時々送ってもらうのだが、
今回はそれに混ざって、日向夏が入っていた。
日向夏は皮がレモンのような黄色をしていて、
皮を薄くむいて、白い部分と実を一緒に食べる果物だ。
味は、みかんのように甘すぎず、ちょっと酸味があって、
一口食べれば、口の中がぱぁーっと春になる。
私は、味はもちろんの事、
日向夏の皮のイエローと、
葉の生っぽいグリーンと、
ころっとした丸さが好きで、
食べる前は、目でも楽しむことにしている。
むいた皮をお風呂に入れたりもする。
柚子ほど香りは強くないが、
うっすら爽やかな香りが湯気といっしょに浴室に広がって気持ちがいい。
五感を刺激する日向夏。
いちばん好きな果物。